[ 世の中には、不思議なものがある。
人狼の食欲を増進するという香>>0:#1もその一つだろう。
ヴィクトールは、ベルナルトの前>>0:101で人狼を炙り出す為に使われていたもの>>0:78だと話したが、聞いた話はそれだけではなかった。
"人狼の自覚がないものを目覚めさせる為に使われる"
そんな良くない話も聞いていた。
炙り出せる事には違いはない。
だが、その話を口にすれば、見知った相手同士の間でも疑いの火種になるだろう。
昨日まで自覚がなかった相手が一時にして変貌してしまう。
だから、何事もないのであれば、ヴィクトールは話を口にするつもりはなかった。
あの時のベルナルトの曖昧な様子から、
ヴィクトールが知るこれら以外の全く別の話を、*彼は知っていたのかもしれないが。*]