―厨房―…終わらせなきゃ。そうしたらきっと、ユリアンだって元に戻る筈。[紅茶の準備をしながら、女は独り言を紡いでいた。今の幼馴染は異常事態で様子が可笑しくなっているだけだと──それはあくまで希望的観測。昨日想像したように、疑い合いの果てに‘元通り’に戻れるとは思えなかった。幼馴染みが狼だとは思えない。…思いたくない。]…でも、じゃあ誰が狼なの。[女には、何もない。花も、花を支える特殊な力も。]