― 昨日/黒珊瑚亭 ―[いつのまにか配られていた茶を手にして、亭主がその場にいたなら礼を言う。緊張からか、常より冷たい指先をぬくめるように掌で茶器を包み、ふと周囲を見回すと、床を見つめるゲルダの姿>>41] ……ゲルダ、大丈夫かい?あ、いや。大丈夫なはずはないとは思うけれど…。多少の気休めにはなるかもしれない、少し飲む?[手にしたまま口をつけてないお茶を差し出して。ゲルダが話したいようであれば言葉を交わし、そうでなければ、拒まれなければ暫く静かに傍にいる]