……お前、雷鷲王と雷光の巨鳥を見間違うとか、なぁ……。
[思わずジト目になったのが、もしかしたら仇になった。かも知れない。
天井から落ちる岩礫、それへの対処が、僅か、遅れた]
『ルギィ!』
ちっ……雷光の巨鳥、その羽ばたきの力持て、全てを裁きし雷光の嵐を巻き起こさん!
[水晶龍が名を呼ぶのを聞きつつ、岩礫に向けて雷光の嵐を打ち込ませるものの、全てを弾くには至らない。
とはいえ影鏡を展開する余裕はなく、幾つかを食らう内に左上腕部へと三度目の直撃が入り、その場に膝を突いた。
それでも、タダでは終わらない、と思うのは術者の意地か]
……異空の風、疾く、行け!
[未だに開く召喚門を僅かに捻じ曲げ、そこから解き放つのは疾風の刃。
もっとも、狙いはいい加減]