―昨晩・キャロルの部屋―
…そうか、エッタ嬢も。
[呟いた後で、何を話せばよいのやら。また暫し黙って考え込んでから。]
能力自体の事をいえば、ありえる話だと思う。
キャロル嬢は、能力者というものについて何処まで知っている?
俺が調べた限りだと、大まかに存在する能力は3種。
俺達を見極める、占い師と称される者。
霊魂を色分ける、霊能者と称される者。
狼の牙を退ける、守護者と称される者。
[他にも、互いを人と認識しあう者など色々な総称を持つ者らはいたが、その出現は極稀だったので今は言わずにおいておく。]
話を聞く限りだと、エッタ嬢は占い師に該当するんだろうな。
[そこまで言った後で、静かに、だが深く息を吐いた。もう一人、占い師と思われる者を知っていたが故に。
ちらとキャロルを見て、様々な可能性を考えた。ここで言うべきか否か、言ってしまえば以後どうなるか。
沈黙にそろそろ向こうが不信気な眼差しを向けはじめた頃、少し息をついて、手を組みなおしてから口を開いた。]