[新たな犠牲者が出たことで、自衛団は落ち着きを失しているようだった。
まだ終わらないのか、いつまで続くんだ、と。
そんな言葉も、ひそひそと飛び交っている]
……そんなもん、俺が聞きてぇよ。
[思わず漏らした言葉は、偽らざる本心。
向けられる視線を、翠は静かなままで受け止める]
……それより、だ。
すぐには無理だろうけど、できるだけ早く、親御さんの所に返してやってくれよ?
[本当は、怒鳴りたいくらいだったが、それは堪えてこう言って。
ブリジットの亡骸を自衛団に託すと、足早に宿の中へと戻って行った]