……に、しても。
[中に入ると、は、と息を吐く。
昨日は何もなくて、今日はあった。
昨日と今日の違い──そこから巡った思考がたどり着くのは、昨日泉で巡らせた思い。
自分から見える、唯一の取っ掛かり。
それを要素とするのが正しいかどうかは、わからない──けれど]
……アーベル、ちょっと聞きたいんだけど、いいか?
[今は取っ掛かりは掴んでおきたいから。
アーベルの仕事が一段落しそうなタイミングを掴んで、呼び止める。
いつになく真面目な面持ちで問うのは、この騒ぎが始まってからの宿泊状況。
何故そんな事を、と問われたなら、ほんの少し、苦笑して]
……俺に見えるものから、探す方法の一環……てとこかな。
こうなったら、なんでも使わんとならんだろうし。
ま、当たってるかどうかなんて、誰にもわからんけどな。
[それでも、口調はできるだけ軽いまま、こんな言葉を投げ返す。**]