―回想・保健室―
[毛布を抱えようとしていた時、走ってくるような足音>>79を耳にして慌ててふりかえる。]
宮町さん、え、どこ行ってたの……。
[全然気付かなかった。女の子を置いてくとか最低だという思いより、むしろゾッとした気持ちの方が強かった。
目があったのにそらされた。宮町の顔色は自分よりも悪いものだったろうか。今にも泣き出しそうな表情にどうしていいかわからなくなる。]
何か、あったの。
[首を左右に振られる。さっきまで自分よりも気丈そうだったのに、なぜ?
困ってしまって、露島に目線をむける。彼は彼女がいなかったことを知っていたのだろうか。]
―回想・了―