─村の通り──…うん、わかった。ありがと、ゼル。[小さな舌打ちの後続いた彼らしい言葉に、泣きながら苦笑と嬉しさの入り混じった微笑みを浮かべて。それからしばらく、黙ったまま歩いていたが。]ダメ、かな。…ごめん、いやならい…自分の頼みに対して、歩みを止めて溜息をつくその背を見れなくて視線を逸らしながら謝りかけたところで、ゼルが急に振り返り。泣き顔は見せたくなくて目を擦って慌てて俯いたものの。]─え…?[彼の手が、自分の手を掴んだのに驚いて顔をあげた。]