……面白い、避け方だなっ!
[塔を生み出し高さを取るウェンデルに向け、薄く、笑い。
飛ばされた針は、とっさに広げた『魔本』で受け止めた。
漆黒の表紙は生命あるように──というか、実際生きているのだが──蠢き、針を取り込もうとする]
『……ルギィ!』
[そちらに意識を集中する間、間近に現れた影に水晶龍が鋭い声を上げるが、避けるには至らず。
衝撃と揺らぎが意識に走る]
……ったく、精霊使いは面倒だなっ……ラヴィ、あわせろ!
[『魔本』を翳しつつの声に応じ、水晶龍が肩から舞い上がる]
界と我を結びし我が盟友、我が意にそいて、吼えよ!
異界龍・轟!
[鋭い言葉に応じ、水晶龍が咆哮する。
それが生み出すのは、荒れ狂う吹雪]