―昨晩・キャロルの部屋―
……なら俺のほうからも一つ話しておこうか。
ラッセルも、占い師と呼ばれる力を持っているかもしれない。
[詳細はあえて伏せておいた。切り札にもジョーカーにもなるかもしれない。
だがラッセルの態度を見ていたのなら、彼が何を占ったかどうか勘付くことも出来るだろうか。
そしてあえて論点をすり返た。もっともそっちの方が重要な事には違いないのだが。]
問題は、占い師と呼ばれる奴らはそうそういないってことだ。
踊り子の君、そんな稀有な者が二人もこの場にいると思うかい?
[じっと彼女の目を見て、告げた。]
可能性はないとは言わない。
だが……狼が能力者の事を知っていれば、嘘をついている可能性もある。
それからもうひとつ。人間だが、狼に与するという狂ってしまった者というのもいる。
もし彼らがこの場に居て、狼と何らかの方法で意思の疎通があり、指示をうけて動いているとなると……。