―医務室―……劣化?…[思わず、自分の頚元に触れる。それはとても恐ろしいことのように思えた。掠れた言葉尻、なにかあったのかと窺うようにハインリヒを見ていたが]……失敬ね。いばらに引っ掛かっただけよ。それに、大して痛くはないもの。[眉を寄せて、心外だと謂わんばかり。老人のほうを真っ直ぐに見ることは出来ない。]気に病むことではなくてよ。…包帯があるだけ良いのだわ。何処にあるかしら?