─ 翌朝/聖堂玄関 ─
[走ってきて乱れた息を整える。
数歩、前に進めば何があったかは見て取れた]
……団長殿、が?
[襲われた。
何に、というのは問うだけ無為か、との認識は容易く内に落ちて。
周囲を見回した天鵞絨が捉えたのは、膝を突く姿。>>70]
……大丈夫、ですか?
[歩み寄って問いかける事に、ためらいはなかった。
何故それがなされたかは、理解できないけれど。
彼が『ひとである』という認識は、自分の中では強固なものだったし、何より。
肩に止まった蒼が、本当に心配そうに、ピリリ、と声を上げていては、放って置くのはちょっと、辛い]