[混在の竜の意識が向いていたのは、眼前の時空の竜。
故に、少年の存在は意識外であったらしい。
背後からの強襲は竜の背に開く六翼、その内の一つを捉えて深く斬り裂く。
真白の羽が周囲に飛び散り、混在の竜はクオオオオ、と甲高い声を上げた]
よしっ……っと、ととっ!?
[確たる手応えに安堵した一瞬の隙を、伸びてきた触手がつく。
慌てて避けようとした事でバランスが崩れ]
わ、わわっ!?
[綺麗な着地には至らず、湖の畔に落下した。
辛うじて受け身は取れたが、結構痛い。けれど]
……このくらいで、止まれるか……っ!
[紫紺の瞳にあるのは、揺らがぬ意思の色。*]