[事実の確認。それはゆるやかな絶望で彼を包む。ギリギリで繋ぎ止めてくれた少女も去ってしまった。押し寄せる波に耐える強さを、彼は持てなかった]FNec possum tecum vivere, nec sine te.[古詩の一節が口をついた。唇は甘く苦く痺れている。淡い微笑を浮かべて、彼は立ち上がる。何時の間にか、夜は明けていた] [意識に混ざる赤は少しずつ増えていた。自覚と疲労。両者は天秤を揺らして彼の中の*混沌を深める*]