─ 広間 ─
[椅子やソファに座る事はなく、窓のすぐ横の壁にもたれ掛かった姿勢で緩く腕を組み。
団長の話に対する各自の反応を伺うように、深紫を巡らせる]
……ああ、そうか。
伝承の通りである、というならば、いても不思議はないのだな。
『闇に潜みし、月のいとし子たちを見出さん』とする……そのための力を備えしものが。
[カヤが団長に向けた疑問>>84に、歌の一節を引きながら呟く。
問いに対する団長の答えは、是。
それから、団長は一つ息を吐いた後、服の袖をまくり上げた。
その左の腕には鮮やかな朱い色が浮かんでいた]