[その若い男――アレクセイに対しては、別の少女>>78からも手伝いの声が挙がった。
なれば自分の方は毛布を運ぶ手伝いだけで良いのだろう、と。
もうひとり、焦点が合っているのか合っていないのか、何処か気に掛かる眼差しの男>>79の姿も捉えてはいたが、今はオリガの件が先だと、足を動かそうとして]
………?
[一度立ち止まったのは、そのはっきりとした響きの声>>75が耳に届いたから。
先程までの口調から「異邦の」人ではないかと見当はつけていたが、それを覆すような言葉の響きに、ぱちりと瞬いた。]
貴方……ううん、なんでもない、よ。
[不気味だという悪態と、確かに覚えた恐れは胸中にのみ仕舞い込む。]