― 食堂 ―[密かに注目されているなどとは当人は気付かない。普段苦手なそれが、それでも確実に減っていくのは、やはり料理が美味しいせい]……なるほど、こうして食べると意外にもこれが他の味を引き立てるわけですね。[感心したように頷きながら、気付けば完食していた。もっとも、好きになるまでにはまだ長い道のりがありそうだけど]ごちそうさまでした。とても美味しかった、と、そうお伝え願えますか?[食堂で給仕やらを手伝う、例の使用人に、今度は素直な笑顔でそう頼んで]