─ 大広間 ─
[俯いた状態で、嗚咽混じりになりながら涙を零し続ける。
これまで向けられてきた言葉は状況把握のためのものだったから、意識をそちらに向け続けることが出来たけれど。
今かけられた言葉は自分を案じてくれるものだったから、張り詰めていた緊張がふつりと切れてしまっていた。
堰を切ったように溢れたそれは、しばらく止まることは無くて。
相手を困らせる>>88>>89とか、そんなことは頭に浮かばないまま、しばしそのままでいた]
っ、ひっく、ぅっく
[手の甲で零れる涙を拭っていると、不意に頭に何かが触れた。
ピク、と反応するように身動ぎしたが、嗚咽が収まるまでは、そのまま]