……ち。
[スタングレネードも、瓦礫の山も全て避けきるとは思わなかった。些か相手の力量を履き違えていたようだ。
だが、相手が正面に姿を現さずに絡め手で来るのならば、男にとってはこれ以上も無いほどにありがたい展開だった。
何しろ、相手からこちらが見えなくとも、こちらから相手の行動は全て見えている。
問題は反応速度の差ではあるが、それでも、見えていない場所からの射撃に、どこまで反応できるか。
陥落してきた天井を、数ミリ単位でよけて、今まで同様に黒い箱を操作。
そこから現れるのは───超巨大な対戦車ライフル。
それを、一つ上の階にいるマイルズへと狙いをつけて、発射]
……。
[それは容易く、天井であり床である場所を突き抜けて、マイルズへと迫る]