[しばらくそうやって、ぼんやりと物思いにふける。
過去のこと、現在のこと、未来のこと。
思いはぐるぐると、取り留めなく]
……このまま、ぼーっとしていても、仕方ない、か。
[吸殻を幾つか積み重ねた後、こう呟いて]
とりあえず、桜の様子でも見に行くか。
……彼女に、話聞くのもありだろうし。
[思い浮かべたのは紅の姿。
窓を閉め、史人が目を覚ました時に備えて、
『帰るときは鍵かけてけ。
合鍵は、後で返すように』
と、簡単すぎる書き置きと合鍵を置いて、部屋を出る。
そのまま、階段を降りて、向かうのは桜の元]