─ 三階・書斎前 ─
[点々と続くそれを視線で辿り、緩く腕を組む。
それが何を意味しているかの思考は、短い]
……誰かいて、そっち行った。て、ことだぁね。
[それが誰で、何故紅い足跡を残す事となったのか。
それを深く考える心算はなく。
そちらへ歩みを向けたのは、状況に対する興味が半分]
…………。
[愛用の短剣は、ここに来た時と変わらず忍ばせてある。
長く使い込んだそれは、自身にとっては何よりも頼れる『牙』。
その存在を確かめるのと、気配>>89を感じたのは、どちらが先だったか]
……おんや。おにーさん、お散歩?
[問いかける口調は、ごくごく軽いもの]