─ 前日 ─
……ねぇ、ミハエル。
あんた、兄さんの傍にいてあげてくれるかい?
こんなことになって、一人ではいてほしくないんだけど、さ。
私が傍にいたら、却って気が休まらないだろうから。
[ブリジットがクレメンスの心をどれだけ和ませていたか。
ミハエル以外は信じていないと言ってはいたけれど、きっとブリジットは疑っていなかったはずで。
ブリジットを失ったことがどれだけ心に重くのしかかるかなんて、想像すらできない程。
だから、せめて信じられる唯一の彼女が傍にいてほしい、と望んだ。
ミハエルがエーリッヒを部屋へと送っていくのを見送った後、ゼルギウスを部屋へと送り。
彼が眠ってしまうまで傍にいたあと、自分も部屋へと戻っていった。]