― 大広間 ―
[明かり灯る大広間では目を閉じても完全な闇は訪れなかった。
瞼の裏に己の赤がうっすらと感じられる。
再び目を開ければ何だか眩しく感じられて柳眉が寄った。
サーシャの声>>83を聞いて少しだけ困ったような顔をする]
雨の間に、安静にしなきゃ
森を抜けるのに、辛くなってしまいます。
だから――…、大事にして下さい。
[整備されぬ道ならぬ道を通ってきたから
サーシャの足を案じて言葉を向けた。
忘れていた理由に戸惑うように眸が揺れる]
サーシャさんは、優しいんですね。
キリルさんや、リディアさん、アレクセイさんに、メーフィエさんも
会ったばかりなのに、こんなに親切にしてくれるなんて……