―→聖堂・外―[駆け抜ける最中、微かに聞こえた鈍い音>>79。辿り着いた広い空間の先にある扉は開いたまま。視線を落とせばそれが厚く積もる雪に動きを阻害されているとわかったのだろうけれど、そんなことに気を遣る余裕も無かった][左腕の不自由に、走る速度はあまり早いとは言えない。それでも何とか辿り着き、先に在るのは既に一人ではなかった。聞いた声の主は――]ライヒアルト、[どうしたの、とは問えなかった。酷く混乱しているように見えるその様子に、零れたのは]……大丈夫?[先ず、彼の様子を伺う言葉]