─ 雪原 ─[オクタヴィアンよりやや遅れて辿り着くと、交差した赤黒から紅が零れていて。雪に映えるいろを認識しながらも、視線は一度イレーネへと向かう。その傍にオクタヴィアンが居て支えてくれていることに安堵した後、再び瞳を紅の散る箇所へと向けた。直後、聞こえたのは獣の咆哮>>86]────ッ![瞳を細めて見遣る先。赤が色を増し、レナーテの変貌を見た。左手が強く熱を帯びる]