─湖畔エリア─
びっくりした。
ですよ。
わんころさん。マーカーさんの押しつけ。
ですか。
[ぽきゅ、と立ち上がりながら言う。でも、やっぱり緊迫感は薄い。
こてし、と傾ぐ首。直後に感じた冷気に、真紅の花が焦るようにぴょこぴょこ揺れた]
るるぅりぃ、るぅ、りぃあ!
《疾風の御霊、集い来たれ。我が身を高く、持ち上げん!》
[とっさに呼びかけるのは、疾風の精霊。
ふわり、吹いた風が小柄な身体を持ち上げて氷の干渉から逃れさせる]
るる、ら、るりぃ。るぅ!
《疾く走れ風、刃の如く!》
[直後に放たれるのは、薄い風の刃]