こんなもん、怖がるもんじゃねェからなァ……
[軽く肩をすくめ。
アーヴァインの考えなど分かるはずもないから応えることもなく。
少女の足取りがゆっくりなのは仕方がないと諦めていた。
横風に驚いて立ちすくむ少女を見ればやれやれと小さな吐息をこぼし。
ここで見捨てていくのも後味が悪いとばかりに手を出した]
――礼はいらねェよ。
[荒れた男の手には少女の手はかなり小さい。
時折強く握られても痛くも痒くもなくて、ただなれない小ささに居心地が悪い。
さっさと渡りきろうとしたけれど、少女を引きずることも出来無いから結局はあまり早くはない。
対岸について安心したように笑う少女を見やり]
……帰りはがんばるんだなァ……
[握られていた手を話して、そんなからかいをする。
屋敷にたどり着いたときには、玄関先に人がいたかどうか**]