― 中庭の見える回廊 ―
[声が聞こえたか、司書の手元の鳥が羽ばたいてこちらの存在を伝え。
邪魔ではない、との返事>>92に少しだけほっとして。
用向きを問われて、半ば存在を忘れかけていた肩掛け鞄を示して]
ん、この前借りた奴を返しに。
その小鳥、すっかり懐いちゃったんだな。
[普段はどこか人を寄せない雰囲気の司書の、その表情が、小鳥に向かう時は変わるのには気付いていて。
そこに、彼の本来の人柄が見えるようで、自然とこちらの表情も柔らかく]
先客、って?
[そう尋ね、返ってきた言葉に一度和らいだ表情が少し硬くなる]