ついさっきの言葉を忘れるほどボケちゃいねぇよ。そんなことくらいで礼なんて言わんでも良いさ。[ゲルダに案内された部屋の寝台に歩み寄るとそっとクロエを其処に寝かせて]――…そう、だな。その時はお前さんが慰めてやれ。さっきだって気になって仕方なかったンだろ?[訊ねに頷きはするが――]なぁ、クロエの涙の跡、濡れた布ででも拭っといてやって呉れねぇか?あんまべたべた男に触れられるのもイヤだろうし。頼まれて呉れないか、ゲルダ。[部屋を出て、その扉の前でそう頼む]