[ウェンデルに指示を受ければ、言われるままに瓶から水を汲み取り、火を起こす]
仲、良いんですね。
別々のところに、住んでいるんですか。
[彼の語りを聞いているうち、表情は笑みに近いものになった。時おり相槌を打ち穏やかに話しを聞いていたが、よく知る姓を耳にして、沸かした湯をポットに注ぐ手も止まる]
……はい。
それだと、ご存知なのかな……
僕も、双子――の、はずでした。
生まれて来たのは、僕だけだったけれど。
[でも、と言葉を区切り、己の首許を示す。
常に付けている、赤石のブローチを。]
エーファは、ここにいる。
器も魂もないけれど、彼女の力は、……ここに。