― 部屋H ―
[最初に一言呟いたきり、ローザが運ばれてしまうまでは何も言わなかった。祈るように、じっとその遺体が包まれ運び出されるのを見ていた。
運ばれてしまった後は朱花が哂う>>93のを、色の薄い緋色でじっと見つめて]
タオが泣いてる。
ライはまだそこにいるのにって、泣いている。
[動物との共感能力を、人に使えるものとして捻じ曲げたのは、歪んだ奇跡のなせる業。
蒼花ではなくなったらしいミハエル>>92に伝えて、部屋の中へと一歩踏み込んだ]
私は、花を助けるもの。
だから。好きにすればいい。
[二つの思いが一つになっているから、スラリと言えた。
言葉そのままの思いを朱花に。
憎める者の声なら届かないかと、泣いているライヒアルトに。
ライヒアルトが動けたら、少しは何かが違ってくれないだろうか]