─ 広間 ─
『彼らは象徴。彼らは導。
力なき者を導く使命を帯びし、神の御子。』
[指導者、というカヤの言葉>>97に、小さく諳んじるのは歌の一節。
幼い頃、これだけは覚えておけ、と口うるさかった父により暗記させられたそれは、今でもさらりと口をつく]
…………。
[『双花聖痕』と呼ばれる者に関する部分はまだあるが、この場でそれを口にするのはためらわれた。
理由は、蒼白な面持ちで震える少年>>93を、更に脅かす必要もあるまい、と判じたから]
……団長殿。
具合が悪い時に無理に詰め込んでも、理解は得られぬもの。
まして、彼は最初に現場を見て、衝撃を受けている……休ませてあげるべきでしょう。
[さらり、そんな進言をして休息への是を引き出して]