― 少し前 住宅街・路地 ― それもありえる。 ……何もかも、おかしい。 狂ってる。[黒江さんのおまじないはよく効いたようで、千恵ちゃんを追いかけていた男の声は遠くで響いている。移動しようかとの問いかけに口を開いた瞬間] あぁっ![突然姪が走り出す] 伽矢? いるの?[声は聴こえないけれど、千恵ちゃんがあの子の名を呼び走り出した。慌てて黒江さんと二人で追いかけると、膝をついた伽矢が姪を抱きしめていた]