ン、でも無理やり連れてきてしまったのかと想ってたのだよ
そうじゃなければ好かったのだけど
[クロエを起こさない様に一旦部屋を出ようと。]
……うん、でも僕に云えない事かもしれなくって
僕だって話せない事は有るんだよ…
だから、クロエが話して呉れるまで僕からは聞かないのだよ
[こてんと頸を傾ぎ、そうなのだと云う。
泪の後を拭って置いてほしいと云われれば、こくりと頷き。
直ぐに持っていたハンカチを濡らした物を持ってくると、
もう一度部屋へ入りクロエの目許を拭って置いた。
程なくして戻ると待ってて呉れたらしき青年に、]
…そうかな、僕は目許を拭って貰ったり、
お部屋まで運んで貰えると嬉しくて感謝しきりなのだよ?
[厭と決めつける青年の声に娘はふるふる頸を振り。]