[遠くを見つめる眼差しで静かに言い、少年は作業を再開した。
ウェンデルの料理が出来る頃には、紅茶も程よく蒸れたところだった。彼へと告げ、運ぶためのトレイを用意する。
問いかけには、俊巡ののちに首を振り、他の皆の様子を見に行くと、外に足を向けた。
行き先は昨日も訪れた、太陽の、月の光を一杯に受け取れる、開けた場所。そこに佇む人物を見つけて、ゆっくりと歩み寄る]
……紅茶と、食事の準備が出来ました。
ハシェさんが、して、下さって。
[そう声をかけたものの、二の句はなかなか継げない。
口の開閉を幾度かして、大きく息を吐き出した]
先日は、……すみませんでした。
[ようやっと言えたのは、それだけ。
まだ物言いたげにしながらも、相手の反応を*窺っていた*]