─ 個室H ─[向けられる緋色>>97に、天鵞絨が細められる]……裁き受ける意思があるというか。[綴られる言葉は、淡々と。懐に滑った右の手に握られるのは、銀の十字剣。ウェンデルの鼓動をとめたもの。茶猫が鳴く、なく。なぁ、と哀しげに]……なれば、我はその命を消し去る。[言い切る様は、静かな──静か過ぎる、もの]