─ 奥の部屋 ─[動けなかった。思考の半分以上が停止していた。頭の中にあるのはただ、なんで、という言葉だけ]…………っ。[みずたまりに浸る形で座り込んでいたら、声がかけられた。>>85びく、と傍目にもわかるほどに身体が震えて、視線が、差し出された手を、辿る]……れーと?[口をついたのは、その場にいる誰の物でもない名前。それからふるり、首を横に振る]ちがう、れーとは、もう、いなくて。ゆゆさんみたいになってて、ずっとまえで。[意味不明の言葉の羅列がぽろぽろ零れる。自己制御ができていない]