逃げたくない、って思うことそのものが、
僕は強さだと思ってるよ。
[フィグネリアが照れる姿には、また少し口許緩めてみせた。
彼女のその意思は確かに眩しく聞こえたし、
彼女が触れたその髪も確かに、綺麗な色だと思ったけれど。
――綺麗、の言葉は胸の内に押し止めた。]
だから、僕も逃げない。
[ヴィクトールの、返答>>87の後の無言を感じながら。
新たに広間に姿を見せた者たちの姿を捉えながら、呟く。
その折に、タチアナ>>90と視線が交わる。
ほんの少しだけ吐息が零れたのは、あの時倒れた彼女が
一先ず無事に起きられたように見えたから。]