―森のどこか―
[こちらが放った術の手ごたえは確かにあった。
とはいえ、地精に力を借りる以上長くは使えない…5分、と言う指定があったからこそで
万が一のために、次の一手の用意だけはしておいた。
額に当てているであろう男の手元は見えない。
だけど、確かに感じる「魔力」の流れ。紡がれる言霊は、やはり自身の知る物とは違っていたけれど]
………!?
[放たれたカード、それが織り成す力に、言葉もなく目を見張る。
初めて見る力の展開と威力。その組成を探ることはすぐに諦めた。
解るのは、複数の要素が絡んでいること]
黒い、雷……複合魔術、かぁ?すっげぇな……
[その力に撃たれ動きを止めたヤドカリと、技を放った男を交互に見て、溜息のように言葉を落として]