[ミハイルの言葉>>2に、泣きそうな顔がさらにくしゃりと歪んだ。毛皮のぬくもりを、ぎゅっと握って、小さく頭を振った。大きく割れた窓から風が入り、髪を揺らす] …ないの…かな。 ミハイルは、知らない? ――俺、別に人を悲しませたいわけじゃないんだ。[猟銃があがるのを見る。銃口へと、少し困ったような眼を向けて、それでも襲いかかりはしない] ――ミハイル、[狼が傍らで唸り声をあげる。ぽん、と手で諫めた時、耳をつんざく銃声が鳴った]