─ 中庭 ─
ええ……その分、雪解けと春の訪れは、何よりも得難く感じられますけど。
[冬の間は動けない。
実際に接した時にはひたすら驚いたものだったが、そろそろ真白の封にも慣れた]
そうですか……人の集まる日というものは、集まるものですね。
[エルザも、との言葉に一つ瞬いた後。
振り返りながら向けられた言葉>>100に、瞬いた]
……ありがとうございます。
[間を置いて、浮かぶのは少しだけ稚い笑み。
甘いものは嫌いではないが、作る方はそれなりだからこの差し入れは、素直に嬉しかった。
笑みは間を置かずに解けて消え、図書室へと向かうエーリッヒを見送った青年は、は、と小さく息を吐き。
食堂を兼ねる談話室へと足を向けた]