─回想・ゲルダの家─
[ダーヴィッドから自分の申し出を受ける旨を言われれば、遠慮するな、と言い。]
困った時は、お互い様だ。
定期便がそろそろ来る頃合だし、港まで行く船があるならそれに乗っていってもいい。
ただ…この嵐のせいで、海が荒れた。
しばらくはどっちも、身動きが取れないはずだ。
あんたの国が、どこかは知らんが…連絡がつくまでは、うちに居れば良い。
…仕事をしているから、少しばかり煩いかもしれんが、それは、我慢してくれ。
[そう言うと、恐らく本人は申し訳ないと思っているのだろう眉を少し下げた表情で頭を下げ。
顔を上げると、ゲルダがうとうとしているのに気付き、そっとタオルケットをかけてからダーヴィッドを促してゲルダを起こさぬよう傍を離れた。]