―2階個室―[思考の海から戻った後は読書の続きを。没頭すると他からの声も聞こえないほどになるのは、恐らく書店にやってくる人ならば知っているだろう。親を亡くすまではそういったことは無く、外に出る事も多かったが。ふと小腹がすいていることに気付いた時、漸く戻ってくる]……あぁ。[読みふけってしまったと目頭を押さえて、本に栞を挟む。それからしっかりと立ち上がり、扉に手をかけた。がちゃり、と音が響く]