― 聖堂外 ―
[そのうちシーツが被されるだろうか。
背後で話される『人狼』の名に、差し出した手が僅かに震える。
こうして幼馴染と向き合っているのは、あの遺体を視界に入れないで済むように、という理由が半分くらい。
後の半分は]
……別に痛くはない、んじゃなかった?
痛むくらい悪化した?
[不機嫌な表情と口ぶりで、純粋な心配は果たして隠しきれていたか]
……風呂だけにしとけば良かったのに。
[添うばかりで力の籠らない右手>>94に溜息を吐く。
司書>>98を横目で見遣ってから、こちらから右手を掴んだ。
無理に引き上げようとはしないが、多少の助けにはなるか]