―回想・1日目/教会―
――亡くなった姉、ユーリエのことで、
おうかがいしたいことが、あるのですが。
[姉の名を出せば、神父が少し思案してから頷いて。
これから出かけるし、シスターや子どもたちのいる場所より、
静かに話せるほうがいいだろうから、宿を尋ねると言ってくれ]
――ありがとうございます。
――神父様の、ご都合の良い時にお訪ねください。
[こんな状況だからだろう、神父も忙し気に見えて、
本来なら島民の為にいらっしゃる方、無理を言うのが忍びなく。
都合を聞かれれば、そう答えた。
姉が漏らした家族の秘密>>1:174は、そのせいで、
12年前、夜逃げのように島を後にし、
その後、両親が島民との接触を禁止した>>1:172もので]