[金糸を掠める指先が、ピクと震える。
名を呼ぶ声音は触れようとしたベルナルトのもの>>91。
問うような響きに、堪えるような表情が過る。
応えてしまえば彼の死を認めてしまうこと繋がるから
口を開きはするが迷い、声を飲み込む。
背に感じる気配に続く言葉が聞こえて
ぐ、と奥歯を噛み締め、漸くそれを受け止める]
許しもなく、勝手にみてしまったね。
[約束は二つ。そのうち一つはもう果たせない。
一度視線を彼の描いた絵へと向けた。
翳る表情も振り向く頃には取り繕われる]
ベルナルト。
[揺れる金糸は心惹かれたあの日の輝きのまま
隠しきれぬかなしみ湛えた双眸に映り込んだ**]