…ミハイル。[きゅ、と瞑る眼、赤い血が舞った。が、銃弾は頬を掠めただけだった。自分の頬を手で触ると、どろりとした温度。染まった手を見下ろして、ペロと舌で舐めてみた。飢えを満たす、あの味と、変わらない。また少し泣きそうな顔をする。 無言のふたりの間に、流れる時間はいかほどだったろう。 ゆるゆると向けた窓の外、カチューシャとユーリーの姿が見えた]