─ 森のどこか ─
んーじゃあ、お互いさんか。
ま、オレとしちゃ、ターゲット横取りされずにすんで助かったけど。
[礼の言葉にさらりと返す。余裕があったのは、そこまでで]
……へ? え? はい?
[続けて投げられる問いかけに、数度、瞬く。
同時に思うのは、あ、ヤバった、という事。
ルーンカードを用いた符術──自分のいた世界では、比較的当たり前の技術だったそれは、こちらでは見られないものなのだと。
ついでに言うと、これまた元の世界ではわりと当たり前だった妖精使い魔も珍しい存在なのだと。
『神樹』から与えられた知識にはそうあったのに、それをうっかり失念していた]