─ 聖堂 ─[距離を開けていたから、カルメンが紡ぐ謝罪>>100は届かない。ただ、ふと振り返り、視界に入った姿は、哀しげに見えて]…………。[ふと、何か違うものが重なった気がして。その像を振り払うように、首を強く左右に振った。直後に、小鳥がピリリ、と鳴く。円らな瞳は、立ち尽くす姿>>102へと向いていた。その視線を辿り、鉄紺を認めるとは、と息を吐いて]アーベル。[呼びかけに敬称がつかなかった事には、気づいていなかった]ちょっと、手、貸して、ほしい。……俺一人じゃ、動けない。